本文へスキップ


フライングパイレーツ~ネバーランド漂流記
最新情報はこちら

田尻あやめインタビューinterview



7月にアイドル「乙女新党」を卒業後、第一歩となる舞台『フライングパイレーツ~ネバーランド漂流記』(通称:フラパイ)。初めての舞台で、初めての主演。初めて尽くしの彼女には新しいことが始まるワクワクとした期待とドキドキとした不安が交ぜっているようでだ。それはまるで、フラパイの主人公「水野曜」のように、純粋な心を持ち、これから訪れる冒険へと旅立つ気持ちと似ている。今回は、出演決定の裏話や物語の内容に触れた時の感想を彼女に語ってもらった。

―――まずは、この舞台に出演する前のお話しから。実は、田尻さんの出演はオーディションで決定したんですよね。
田尻「そうなんですよ!もともと、オーディションを受ける機会が少なかったので、全然勝手が分からなくて、緊張していたんですよ。前日に設定した時間よりも早く家を出たんですけど、集合時間よりも早く会場に到着するぐらい緊張していました(笑)」

―――早く到着されたので、時間よりも早くオーディションを開始したのを覚えています。オーディションでは、田尻さんの技術を見るために色々とやりましたね。
田尻「フラパイのセリフを何回も読ませていただいたのですが、すごく勉強になりました。演出の貞方さんに「こうしたほうがいいよ。」って演出をしていただいてから、段々と自分が良くなっていくのが分かったので、途中から楽しくなりました。」

―――貞方氏がつけた演出をすんなりと飲み込んで演じていたので、審査する方がびっくりしましたよ。
田尻「本格的な演技が初めてだったからこそ、「こうしたほうがいいよ」って言われたことをやるのがいいのかなって思ってやりました。」

―――正直今回、オーディションに受かるとは思っていましたか?
田尻「思わなかったです…オーディションを受ける順番が一番最初だったので、この後に自分以上の実力を持った人がいたら、私なんか忘れられるんじゃないかなって。」

―――その不安は当たらず、晴れてオーディション合格。フラパイの出演決定を聞いたのはいつ頃ですか?
田尻「誕生日(5月28日)にマネージャーさんから教えていただきました」。実は誕生日の時、1人で過ごしていたんです。仕事が早く終わって、1人でカラオケに行っていたぐらいで、「なんて寂しい誕生日なんだろう」って思っていた中で、出演決定の話を聞いたので「なんて嬉しい誕生日なんだろう」ってなりました(笑)ずっと、オーディションに落ちたと思っていたので。」

―――しかも、主演をつかみ取るほどの大抜擢。
田尻「そうなんですよ!自分が主役になれるとは思っていませんでした。以前、サンリオピューロランドでミュージカルをやったことはあるんですけど、本格的な舞台の演技は初めてなので、主役をやっていいのかな?って思いました。周りのスタッフさんからは「え、あやめが座長なの!?」って驚いて、座長の意味や立場を教えてくれたんです。今まで、グループの中でも引っ張られる側だったので、自分が引っ張ることができるのかなって思いましたけども、やるからには、しっかりと主役をやりたいなって思いました。」

―――初めての演技、演技そのものに不安はありませんか?
田尻「うーん、実は私、滑舌が悪いんですよ。オーディションの時も口を大きく開けてセリフを言ったときに良くなったので、今回直せたらいいなって思います。あと、学校行事で見た舞台の役者さんのリアクションが大きくて、面白いなって思った時があるんです。でも、まさかそれを自分でやるとは思っていなかったのと、私自身あんまりリアクションが大きくないので、大きく見せられるようにしたいです!」

―――出演決定の発表、そのあとすぐにメインビジュアルが公開されましたね。
田尻「撮影したお写真を先に見させてもらいましたが、まさか最初のチラシにソロで載るとは思っていなくて、「え、すごい…」ってビックリしました!自分がチラシやポスターに大きく載ることがなかったので、本当に嬉しかったです。」

―――衣装も海賊姿と制服姿の2種類。海賊姿を着ているときは、テンションが高かったですよね。
田尻「初めての海賊役で、銃や剣を持って撮影したので新鮮でした!あと、剣がすごく重いんです(笑)役者の皆さん、重いけども重そうに持たずに頑張って演技をするんだなって思いました。」

―――確かに重いですけども、田尻さんが持った時も様になっていましたよ。そして、今回、ショートヘア―での撮影でしたね。
田尻「そうなんですよ!Twitterではショート姿を載せているのですが、まだその姿で人前には出たことがないんですよ。アイドルの時にはロングヘアーで活動していたのですが、なぜかショートのほうが好評で(笑)今回の舞台でショート姿をみなさんに見せられるので、それも楽しみにしています。今回のチラシが公開された時も、いつもの雰囲気とは違うってコメントがありました!Twitterのコメントも「可愛い」ではなくて、「カッコいい」っていう反応だったので、こんなにも変わることができるんだなって驚きました。」

―――かっこいい海賊姿もいいですが、制服姿も可愛らしいですけどね。
田尻「アニメやマンガのキャラクターっぽい感じはありますよね。Twitterで上げていたショート姿は内巻きしか載せてなくて、今回の外ハネをやったことがなかったんですよ。メイクもナチュラルな感じなので、また違う雰囲気が出ると思います。」

―――撮影時も、スタッフ陣から「あ、曜ちゃんだ!」って声が上がるぐらい好評でしたよ。フラパイはピーターパンをモチーフにしたファンタジー作品ですからね。台本や今までの映像を見てどうでしたか?」
田尻「台本は貰ったタイミングですぐに読みました!文章だけなので、感情が掴みきれなかったんですけど、過去の公演の映像を見た時に、気づいた事や分かった事があって、改めて感動したんですよ。あと、舞台の終盤辺りで、悲しくなって泣いちゃいました。それだけ、映像を見た時に感情移入できる物語なので、その時に私が感じたことをお客様に伝えられるようにできたらいいなって思います。シーン毎に真剣なところと、ネタが織り交ぜられているところと、いろんなシーンがあるので、見ていて全く飽きなかったです。ずーっと、携帯で見ていたので、首が痛くなったぐらいです(笑)」

―――お芝居の内容は老若男女問わない作品なのでいろんな方が楽しめるでしょうね。そして、田尻さん含め全キャスト、歌や踊りも劇中にはありますよね。
田尻「(小声で)それが一番心配なんです…。オーディション時にソロ歌唱があるって聞いていて、パート割があるのかなって思ったら、「冒頭からソロの歌があるの!?」、「私のソロからみんなが入ってくるの!?」ってビックリしたんですよ(笑)本当に頑張らないとなって思いました。ダンスは、チーム毎に分かれて踊るのもあって、すごい楽しそうだったので早くやりたいです。アイドルやモデルのお仕事は1つのことを集中して考えればできることが多いんですけども、今回は歌もダンスも考えて、そこに演技も入るので、考えることがいっぱいです。」

―――たくさん考えて、たくさんのことをやるからこそ、この期間の成長は楽しみですよ。新たな田尻さんが見られるのかもしれませんね。
田尻「そうなりたいです。今、モデルやアイドルの田尻あやめの事を好きな方が多いんですけど、演技をしているあやめや、ナチュラルメイクなあやめとか、今まで見せたことのない姿をみなさんに見せられるので楽しみです。アイドルを卒業して初めて、お客さんの前に出るので、演技も歌もできるんだっていうのを見せられたらいいなって。」

―――その目標、ぜひとも達成したいですね。最後にこれから行われる稽古・本番への意気込みを!
田尻「稽古は…私、いつも集中力が2時間までしか続かなくて(笑)今回慣れていない稽古が多いですけど、集中力を切らさないで毎日稽古に取り組みたいと思います!あと、ネガティブな発言をする癖があるんですけど、みんなを引っ張る立場なので、向上心を持って、みんなと一緒に「頑張ろうね」って言えるように前向きに頑張りたいと思います!本番では、「感動した」、「楽しかった」って言ってもらいたいのと、終演した後も劇中歌を口ずさむとか、フラパイの世界に入ったまま劇場から出てもらいたいです。楽しかったで終わるんじゃなくて、フラパイの世界に浸ってほしいですね!」

(インタビュー・文章:プロデューサー 熊谷洋幸)